浅葱色に射す一筋の泪





優輝菜「6月5日に死んだ碧野優輝菜だろ? 私だよ………。拓先輩の追悼集会で逆走し、トラックに突っ込んだ……。私は元湘南連合藤沢支部・碧野優輝菜だよ」


全「シーーーーーーーーーン………」


優輝菜「私のヘッドは吉田翔」


陸「優輝先輩は死んだんだけど………」


優輝菜「説明難しいんだけど、タイムスリップしたんだよね……。此処は明治時代。 お前らには分かんねぇか……。

私は新選組。聞いたことあんだろ……。

みんながお前らに向けてる刀は模造刀じゃない。

首もスッパリ離れる位の剣豪揃い。」


陸「……………土方歳三」


土方「なんだ」


陸「っっっ!!! マジかよっっっ!!!」


優輝菜「私の旦那……。」


陸「え…………………。」


優輝菜「抵抗しないなら離す。抵抗すんなら殺す。どうする?」


陸「抵抗しません………」


優輝菜は手を離す


陸「本当に優輝先輩っすか………?」


優輝菜「この時代にバイクなんかねぇんだよ!!!

馬と人力車で暴走してると思うかっっっ!!!

私のゼファーだけは一緒にタイムスリップしたけど………。

地面みろ!アスファルトじゃねぇし、電線もねぇし、木造の家しかねぇし、街灯もねぇだろっっっ!!!」


陸「……………………………。

え?ゼファーは廃車………」


優輝菜「ゼファーに乗ったまま飛ばされたんだよ………。


私と走ってた奴いねぇのかっっっ!!!てか……私が死んでどれ位経ったんだよっっっ!!!」


カチャ
「五年」


優輝菜「誰?」


黒塗りの車……
シーマから出て来たのは……


「久しぶりだな………」


優輝菜「翔…………………」


新選組「っっっ!!! マジかよ!!!」


「追悼集会だけは出てたんだ……。
OBとしてな…………………。」


グイッ!


土方「行くんじゃねぇ………」


土方は優輝菜のタンクトップを引っ張る


優輝菜「貴重な洋服に何すんだっ!」


土方「お前を抱いた男だろ……。
優輝菜に手ぇ出したら、切り刻んでやるから覚えてろっっっ!!!」


翔「人のもんに手ぇ出したのはそっちだろ」


優輝菜「翔さん……マジでやめて!!
こっちは殺しのプロだから………」


土方「死にてぇか?」


翔「返して貰う」




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