浅葱色に射す一筋の泪




総司「はぃ。無理!!! 優輝菜は、此処で戦って死なずに負傷した兵を治す義務があるからです!!!

それは優輝菜にしか出来ない事だからね」


左之「逃げてんじゃねぇよ………。
それが湘南連合の元副総長か?

なら……その特攻服は必要ねぇな?

今から燃やしてやるから脱げ………」


総司「……………………………。
左之さん………」


優輝菜「……………………………。」


左之「目を背けたくなる地獄絵図だが……お前は陸軍だろ………。途中で放っぽり出す癖直せ……。男だろっっっ!!!」


優輝菜「ちげぇ〜〜〜〜〜〜………」


左之「お前は神なんだからよ……。
逃げんなよ」ポンポン


優輝菜の頭を軽く叩き、肘を乗せたまま話す左之


左之「お前……弱ぇな……。まるで女みたいだ……。そんなんは優輝菜じゃねぇ……。優輝菜と言う男はこんなデカイ俺をも素手ですっ転ばす馬鹿力持ってんだよ……。俺らが折れそうになってる時は必死で笑かそうとしたり良いこと言ってくれる奴なんだよなぁ〜〜〜……。

仲間だと思ってたんだがな………」


ボロボロボロボロボロボロボロ


総司「疲れた?」


優輝菜「辛い………」ボロボロボロボロ


総司「久々に泣き言言ってる優輝菜見たなぁ〜〜〜……」


左之「きったねぇ顔………」


優輝菜「うっせ!!!」


総司「クスッ! 思いっきり泣いてまた皆で頑張ろ?」


優輝菜「……………………………。」


優輝菜はしゃがんだかと思ったら胡座をかいてワンワン泣きはじめた。


総司と左之も両脇に座って周りの死体の山を見ていた


左之「泣く事も出来なかったこいつらの分まで泣いてやれ………」


と、優輝菜の頭を引き寄せ胸に閉じ込める左之………。


総司「あぁ……。それ私がするべきだったのに………」


左之「……………………………。
何でだよ………。」


総司「元々は私のだから………」


左之「ちげぇ〜〜〜〜〜〜!!!」





ジャリ………




左之・総司・優輝菜
「っっっ!!!」


振り返り、銃を構えた3人


土方「俺だ……。総司、左之、済まない。後は俺がこの猿の面倒みとくから休んでくれ………」


総司と左之は立ち上がり、去って行った………。


土方「此処は危険だ。来い………猿」


土方は優輝菜を担ぎ、歩き出した。


優輝菜「……………………………。
逃げて良いかな……。日本に……。」


土方「……………………………。
却下。来る時に、覚悟決めて来たんだろ……。途中で逃げるなんざ、男の風上にも置けねぇな……。」


優輝菜「……………………………。」


土方「俺はお前と最後まで戦う」


優輝菜「……………………………。」


土方「まぁ……。一度や二度はキレんだろうな……とは思ってたからな……」


優輝菜「軍医として何も出来ない」


土方「そうだな……。今逃げたら負け犬でしかねぇな……。龍神が聞いて呆れる……。ふっ!」




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