浅葱色に射す一筋の泪




最後尾の優輝菜を見送ると土方達も戦闘機に乗り込んで離陸した………。


暫く優輝菜は名残惜しみながら景色を目に焼き付けていた………。


長かった………。


流行病に出産ラッシュに伝染病……。


死体の山………。


辛いことばかりだった………。


戦争は本当にあってはならない人間の過ちだ………。


戦争をして得をするのは戦場には立たない勝利国の官僚だけ………。


数多くの仲間を失い、金を失い、環境を汚染させ、精神も失う戦場で……


優輝菜に残った物は………




何も無かった………。




幸い、幹部の死者が0だった事に感謝する。


過呼吸になりながら、敵を撃ち殺すのは……もう嫌だ………。



泣きながら死者を弔うのはもう嫌だ……。


軍人としては0点の優輝菜だが……。


人間の心を失ってまで人を殺めるのはどうしても嫌だった………。


私は………一体………


何百人の支那人を殺したのか………


何世帯の家族を崩壊させただろう……。


優輝菜はそんな事を考え、泪を流した。


冥福を祈ると共に、安らかに眠って下さいと……心で祈る優輝菜………。






ーーーーーーーーーーーー






ドカーーーーーーンッッッ!!!



ドカーーーーーーンッッッ!!!



ドカーーーーーーンッッッ!!!



ドカーーーーーーンッッッ!!!



優輝菜「っっっ!!!」


凄まじい爆音のある方を向くと、黒煙が幾つか上がっている


優輝菜「なにっっっ!!!」


平隊士「戦闘機が爆撃された模様!!
どうしますかっっっ!!!」


優輝菜「急いで船へ向かって!!!
私は戻って戦闘機で行くから!!!

急いでっっっ!!!」


平隊士「分かりました………。

船へ急げーーーーーー!!!」


優輝菜は急いで陣営へ戻った。


今回、戦闘機に乗ってるのは幹部……。


爆音は四つ………。


嫌な予感しかない。冷や汗が流れる。


陣営に着くと、左之や平助、一達が離陸した時だった


優輝菜も戦闘機に乗り込み離陸させた。


優輝菜「生存確認っっっ!!!」


無線機に向かって叫ぶ優輝菜………。


坂本「土方、晋作、総司、翔が………」


優輝菜「っっっ!!!」


左之「マジかよ…………」


新八「……………………………。」


平助「……………………………。」








< 256 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop