みんな病んでる。
何度聞いても、素敵な音。

もっと、もっと。

ピルケースの中に、まるでマラカスの中の砂のように、かさぶたを作りださなきゃ。

今度は、逆の脚のソックスを下ろした。

E=hv

カリカリ。

サカサカ。

「サツキちゃん……きゃっ」

女友だちが、私の名を呼んで、そして小さな悲鳴をあげた。

ああ、いつの間にか授業は終わっていたんだ。

私はかさぶたのことに夢中になっていて、休み時間に入ったことに、気がつかなかった。

友だちは、ソックスをずり下げた私の脚を凝視して、固まっている。

きっと、気持ち悪い……とか思ってるんだろうな。

美人な顔の裏側に隠された、体中の無数の斑点に。

「うわっ、サツキ、何それ。気持ち悪ぅ」

また声がした。男友だちのリョウだった。

彼の声は大きく、クラスの皆が私に注目する。
< 21 / 37 >

この作品をシェア

pagetop