みんな病んでる。
リョウたちが教室を出て行く時に、ちらりと私に視線を投げかけたのは、サツキだった。

どうせ、哀れんでいるのか、バカにした視線なんだろうな。

私はそれを遣り過ごす。

E=hv

ぷちっ。

ぷちっ。

私はまた、髪の毛を抜く。

私には、友だちがいない。

元々おとなしく内気な性格と、陰湿そうな外見。

それに、無数のアホ毛ときたら、誰も近寄ってはこない。

正直言って、友だちは、欲しい。

だけど、自分からどう動いていいのか解らないのだ。

自分から声をかけたところで、相手は嫌がって逃げるだろう――そうずっと思い込んできた。

ぷちっ。

ぷちっ。

……あ、この手触り……!
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