君は覚えていますか…?



陸空を先生にみてもらい

10分が立った






「先生、陸空は…?」

「今回、指が動いたのは、体が自然に動いただけで、本人の意志ではありません。」

「え…」

「こういう事よくあるんですよ」

「そう、ですか…ありがとうございました」








陸空が目覚めたのかと思ったじゃん…

期待させないでよ。

バカーー






「琴、大丈夫?」

「遥…ありがとね」

「うん」

「ねぇ、遥、このまま陸空が……目覚めなかったら……」

「琴……そんなこと言わないでよ。信じるんじゃなかったの?」

「そうだけど…、あたし不安で…」

「琴……。大丈夫だから、きっと目覚めるから。ね、信じようよ」






あたしね、陸空がはやく目覚めないかなって

ずっと期待して

毎日お見舞に行ってたの。

だけど、目覚めない日が多くなるにつれて

どんどん不安になっていった。



陸空、もう目覚めないんじゃないかって。

遥…

あたし、陸空を待てる自信がないの。

陸空が目覚めなかったら……

あたしどうなっちゃうのかなって。




でも、遥はすごいよ。

ほんとに感謝してる

ずっと陸空を信じていて。

あたしにいつも元気付けてくれて。

ありがとう。



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