五つの顔を持つ私



「…ついた…」

「ありがとうございます。それじゃ」

「今度からはい…」

「学校」

「チッ。お前意外と頑固だな」

「どうも」

「ほめてねぇし」

あ゛~、イライラする。

早く帰りたいんですけど。早く帰って早く仕事に取り掛かりたいんですけど。

こんなとこで話してる暇なんかないんだっつぅ~の。

誰かに見られるのもやだし、そんであらぬ誤解されんのもまっぴら御免だし。

それが学校の奴らだったらマジ最悪。

今地味子の格好なんだよ?

絶対反感買うって。

明日学校行ったらその噂で持ちきりとかだったらどうしよー。

そしてそして私が龍神の姫だと勘違いされてお前は狙われてるから姫になれって本当に言われて…。

…完全に死亡フラグ確定じゃん。

…やばいぞ。黒木麗一世一代の大ピンチ!!なんとかこの場を回避しなければ!!

「…おい」

「…」

「おい」

「…」

「おい!!」

「うお!?へっ?…なにか?」

やべぇ~。完全に自分の世界に入り込んでいた。

「なにか?じゃねぇよ。ちゃんと話聞いてんのか?」

全っ然聞いてなかった…。

「あの…すいませんがもう一度お願いします」

「はぁ…。だから、明日から毎日送迎するっつってんの」

総長に溜め息吐かれた!!呆れられた!!ちょっとショック…。

「ああ…いいです…」

「なんでだよ!?お前危険なんだぞ!?わっかんねぇのかよ!?」

ちょいちょい総長さんよ。キャラ崩壊してきてね?

最初はクール系かと思ってたのに今じゃ熱血系みたいになってるし。

私、うるさい男嫌いなのよねぇ~。

男だけじゃなく、人間すべて大っ嫌いだけどね。

あ、ヤバい…。もう6時30分だ…。早くいかないと…。

「もういってい?」

「あ?ああ」

「そう。じゃさよなら」

「明日メールする」

私は無視して早歩きで帰路についた。

一人残った総長さんが、

「(…あれ?敬悟…)」

と思っていることなんて知らずに…。


ん?メール?メルアド教えたっけか。


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