五つの顔を持つ私




「お前が噂の転校生か~」

「…噂?」

「おう!久しぶりに超美形が転校してきたって。楽しみにしてたんだぜ?お前、龍神に入れ!!」

来てそうそう勧誘かよ…。

「…断る」

「は?」

おそらく断られるとは思ってなかったのだろう、間抜け面してる。

あったりまえだろ。美麗がそんな勧誘なんかに乗るわけないんだから。

「お、お前、断りやがったな!?みんな入りたくて仕方ないこの龍神に転入そうそう入れるっていうのに…そ、それを…お、お前は…!?」

あ~、ウルセェ。

この猿!

「美麗、約束は…?」

「…わかった…」

私と美麗を交互に見ていた猿、もとい連はいきなり叫び声を上げた。

「な、なんだ!?お前達知り合いか!?わかったぞ!!お前らグルだろ!?俺達を陥れようとしてるんだ!」

…なに言ってんの、こいつ?

頭大丈夫?イカれてんじゃないの?

被害妄想も大概にしろよ。

美麗まであまりの勢いにポカンと間抜け面してんじゃねぇか。

…どうしてくれんだよ、この冷めた空気。

本人は至って真剣だけれども。

どうしてそういう結論に至ったわけ?

意味わかんない。

病院行った方がいいんじゃない?

次々と頭の中で言葉が生まれては消えていく。

一番最初に出てきた言葉が、

「…はぁ…」

だった。




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