五つの顔を持つ私
美麗side
「ねぇ、どこから来たの~?」
「アメリカに留学してたって本当?」
「彼女はいる~?」
「家どこ?」
「メアド交換しよっ♪」
…あ゛~、ウルセェ。
授業が終わるたびに群がる女子共。
転校生ってこうなるのが伝統なのか。
それともこいつらが暇なだけか?
俺に質問っていうか拷問してる女達の目はまるで獲物を捕獲しようと狙っている女豹みたいだった。
お前ら、相当男に飢えてんだな。
だからって、俺に群がんなよ…。
いい迷惑だっての。
家とかメアド教えるわけないじゃん。
ストーカーされるのいやだし。
絶対ストーカーしそうなんだもん。
「アメリカに留学してたのは本当だよ。家の場所は残念ながら教えられないんだ、ごめんね。彼女はいないよ。ケータイ持ってないんだ」
全ての質問に丁寧な物腰で答えていく。
麗に口酸っぱくして言われたし。
ケータイ持ってないってのは真っ赤なうそ。
持ってるけど絶対教えたくない。
はぁ…疲れた…。もう帰りたい…。
けど、そんな俺の切なる願いが叶うはずもなく、結局放課後になっても帰らせてくれなかった。