絶対王子は、ご機嫌ななめ

こんな時、正直過ぎる心の扱いには、自分のことなのに手こずってしまう。

なにせ男性の家に泊まるなんて経験もないもんだから、政宗さんの言葉に一言一句反応してしまって、でもそれをどう対処していいのか分からずにオロオロする始末。

こんな状態で三日間もここで過ごしたら、精も根も尽き果ててしまうんではないだろうか。

政宗さんを見れば、いつも程ではないものの仏頂面に戻っている。人をこんな気持ちにさせておいて、自分は知らん顔? さっきまでの甘い笑みはどこにいっちゃったのよ!と文句の一つも言ってやりたい気分だ。

でもまずはお風呂に入って今日の疲れだけでも取ってこよう。

仏頂面に笑みを返すと、まだ肩に乗っている政宗さんの手を払いのけた。

「じゃあ、お先にお風呂頂きます」

「ああ、風呂場はここ出てすぐ右だから。ごゆっくり」

うんと小さく頷くと脱衣所に行き、そっと扉を閉めた。



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