絶対王子は、ご機嫌ななめ

それは政宗さんも同じだったみたいで……。

「俺はおまえが一番大切で好きなの。だから柚子の名前を出した。それの何が悪い!」

なんて突然怒鳴りだすから、私も負けじと応戦。

「そんなこと言うなら、私だって政宗さんのこと大好きですよ。誰も悪いなんて言ってないじゃないですか! 時と場所を考えろって言ってるんです!」

私も政宗さんもここがグリーン上、しかも表彰式の最中だということも忘れて、どんどんエスカレートしていってしまう。

「えっと、あのぉ……。曽木プロと彼女さん?」

でもそこで司会者が、申し訳なさそうに声を掛けてきて。

「あ……」

今自分が置かれている状況に気づいた私は「すみませんでした!」と大声で謝り、その場から走り去った。



< 191 / 222 >

この作品をシェア

pagetop