絶対王子は、ご機嫌ななめ

「政宗さん、私けが人なんですけど! もう少し優しく……」

「それだけ文句言えれば大丈夫だろ。静かにしとけ」

さっきまでは優しく手を握ってくれてたのに、何この変わり様。ホント、頭にきちゃう。

そんな私をよそに政宗さんは運転席に乗り込むと、エンジンを掛けた。

私は助手席のウインドーを下げると、そこからひょこっと顔を出す。

「康成先生、今日は急だったのにありがとうございました」

「いいえ。そうだなぁ、今日は金曜だから、また来週の月曜にでも診察においで」

「はい。それじゃあ、失礼します」

ペコリと小さく頭を下げると、顔を引っ込める。政宗さんがアクセルを踏み車がゆっくり走りだすと、康成先生が手を振りながら大きな声を上げた。

「おふたりさん、素敵な夜を~」

「あいつ……。柚子、さっさと窓閉めろ!」

そして私は不機嫌になった政宗さんと、車内で過ごすこととなってしまった。



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