Cheer Up
現在時刻は10:05。
待ち合わせにすでに五分遅刻。

「あたしのばかぁぁぁー!!」

陸上部で鍛えた足が地面を強く蹴る。
何でこんな日に限って!?
いや、でも昨日寝れなかったのもあるし!!
とにかく急げー!


「遅い。十分遅刻」
「ごめん」
「…もうちょっと早く来いよ。事故とかあったかもしれないって心配…だから」
「…」
うわこれ今、あたし顔赤い。
「映画は、こっち…です」
なんか敬語になっちゃったよ!
「あ、ああ」


「すいません、このチケット学割二枚」
「あ、カップルさんですかー!今、ここでお互いの好きな所を一個言い合えば半額ですよ」
…何の試練?
まあこのパターンで『キスしてください』とか言われるよりかはましか。
ていうかまず颯がやるわけ―

「やります」

「うんやるんだーってやるの!?」
「だってお前、俺が何でお前の事好きか知らないだろ?」
待って!今ので心が、心臓がバクバクなんですけど!
もう何も言うなー!!
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