メガネのヒメゴト
頭の中で携帯が鳴った。


急いで携帯を開く。


見慣れた番号。


「もしもし…」


沈黙はしばらく続く。


遅れて声が聞こえてきた。


脳内に声がしみ出していた


「新しい青い石のリング、……買ってくれる?」


携帯を肩と耳にはさんだまま、右手にはめていたブルートパーズのリングをはずした。


なんだろう。


視界がぼやけてみえないや。


ホント、わたしってバカだったわ。


相手の声は頷いているようだった。


「楽しみに、待ってるから」


何も聞こえてこない携帯の終了ボタンを押す。


そして、すぐにその番号のデータを携帯内から消去した。

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