指切り
「っと!!それより急がなきゃだぁぁ!!!」
どうでもいいことはおいておき台所に行き炊飯器の蓋を開けた。
「…あれ??ご飯…炊けてない?」
いつもならほかほかに炊けているはずなのだが…
まぁ昨日いろいろあったからおねえちゃんも大変だったんだろうと思い特に気にせずに棚においてあるパンの袋をあけた。
「今日はパンかぁ…」
そうつぶやきながらパンを頬張る。
おいしくもないしまずくもない というところだった。母親が選ぶ味が私が好めないような味だからなのだが。
パンを食べ終わると急いで階上に向かい小学校の体操服に着替えファンデーションを持って洗面所に向かった。
そして歯磨きをしながら鏡を見てあざがあるところや傷があるところにファンデーションを塗る。目立たないようにしないといけないからこうやって隠しているのだった。
歯磨きをし終わった直後 玄関のチャイムが鳴り響く。
友達が迎えに来たのだ。私は階上にあるランドセルを背負い窓から飛び降りた。

私の家の二階はぜんぜん高くないから飛び降りても足がしびれるくらいだ。

「亞璃ちゃん!!」

「亜癒ちゃん。おはよぉ。」

この子は私の友達の亞璃ちゃん。優しくて可愛い子だ。私の親友といったところだ。
「今日も窓から飛び降りてきたの?」
亞璃ちゃんがくすくすと笑いながら私に問いかける。
「うん…時間なかったからさ…」
私も笑いながら答えた。
こうして会話をしているうちに学校に着いた。

「おはよー。」
「おはよー。」
亞璃ちゃんは教室に入ってく。私もそれに続く。
「亞璃 っはよー!亜癒もはよーっ!!」
「亞璃ちゃんおはよ♪ 亜癒ちゃんもおはよっ♪」
「あーちゃんおはよ♪ゆぅちゃんもおはよぉ。」
「亞璃 おはよ♪亜癒もおはよ♪」
…私…おまけ…?って思うくらい亞璃ちゃんのまわりにばっか人は集まっていく…
ちょっぴり…寂しい…

「亜ー癒!何そんなくらい顔してんのぉ!」
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