悪魔の目
それから、僕が堂島幼稚園に入園してから、半年の月日が経とうとした時、僕は内心とても焦っていた。

母親が殺害されるまで、あと半年の猶予しかない。こんな小さな僕の身体では、三島に楯突くどころか、母親を守る事すらできない。

母親や父親に真実を打ち明けた所で、僕の話を信じてくれるはずはないだろう。むしろ、頭のおかしい子だと判断され、僕の担任である三島に相談されたら本末転倒。

そこで僕は、斗真お兄ちゃんに思い切って真実を打ち明けてみる事にした。

いつもの通り、斗真お兄ちゃんの大学が終わった後、僕に英語を教えてくれている時だった。

残暑も終わり、窓から見える外の風景も秋真っ只中の肌寒い日だった。

「斗真お兄ちゃん」

「ん?なんだい?」

「僕の話を信じてほしいんだ。」

斗真お兄ちゃんの考えた、英単語の問題を僕は解くのをやめる。

「どうしたんだ。急に真面目な顔して。」

「来年の春、お母さんは殺されちゃうんだ。」

「コホン。は?そんな事冗談でも言うもんじゃないよ。早く問題を解きなさい。」

斗真お兄ちゃんは呆れた顔になって、咳払いをした。

「僕の話を信じてくれ!」
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