ミク。
人間の人目につかない場所を選んで下界に降りた二人がまず初めに向かったのはドトールカフェショップという下界では有名チェーン店の一つに入るコーヒーと軽食が楽しめる店で、もちろんここを選んだのはユキ本人。理由は、なるべく静かに誰にも邪魔されず食事を採りたいというのも有るが、一番のものは、濃いブラックコーヒーでも飲んで良からぬ思考が育って来た頭を冷やしたいというものだったが、しかし、

【ねぇねぇユキ、見て見て。あわぁ!】

少食派の陽菜が食べてみたいと云って選んだデザートがガトーショコラ。主食はアボガトとトマトとレタスが沢山挟まれたホットサンドウィッチで飲み物がホットココア。そのホットココアの上に乗せられていた生クリームに喜んで指で少しつついてみたり、指先についたそれを【はぃ。】なんて口元へ持って来てくれたり、ガトーショコラの脇にデコレーションされている生クリームに腰を下ろすサンタクロースとトナカイを何処から食べたら良いかで真剣に悩んだ挙げ句、食べたら可愛相かな?なんて澄んだアメトリン色の瞳をウルウルさせて来て、また、見知らぬ人間達には{何かの撮影かな?}や(あの二人絶対モデルだよ!)〈ヤベェなに何なんであんな綺麗色っぽい人と可愛い女の子いるの!?〉[つーかぁ、マジで超お似合いなんだけど!]『高校生と中1かなぁ?』(ねぇねぇ、キスする所見たくない?){ギャー!!見たいっ!マジ見たいクソ見たい死ぬ程見たいわそれ!!?}などと店内の隅々でそういったコソコソ話しをされまくるので、もはやコソコソ話しでは無く普通の会話として耳に入って来るしで、頭を冷やせるワケが無く、むしろ良からぬ思考が悪化したと言った方が正解だろう。
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