ミク。
人目を注意して飛行して行くと、古びた塗装の十字架は先程二人で居た元公園から約五ブロック先にある教会のもので、神秘的なベルの音はそこの教会で今から結婚式が執り行われる事を知らせるものだったという事が判明する。

【…‥】

丁度良い位置にあった大人二人が腰を降ろせるサイズの頑丈そうな背の高い大木に先に陽菜を座らせてからユキもここへ来る為に広げていた純白の大きな翼を背に収めて腰を降ろし、天界でもまだ見た事が無い結婚式というものを観察する
すると、そこには大勢の参列者が居て、女性人はミニドレスだの着物姿。男性人はスーツだの袴姿で主役の花嫁と花婿が出てくるのを楽しそうに待っていた

【あっ!あそこかな?】

陽菜が先に目星をつけた青い扉がやがてさっと開けば白いタキシード姿の男が出て来て、赤い長いジュウタンの先に用意されていたピアノまで歩んで行って渋い茶色の木椅子を引いて腰を下ろし、心地良い音色で曲をつま弾き始める。
その曲はここ、下界でアーティストとして活躍し、女性からも人気を集めている恋音ひめ様という人間芸能人が歌った事でも絶大な指示を受けた曲の一つ、“恋バタフライ”だった。
その曲のピアノソロ演奏に合わせて先程花婿が登場した左隣側のピンクの扉が開き、金と銀のフリルが素敵なウェディングドレスを着た花嫁がマイクを片手に、歌いながら入場する。
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