ミク。
「‥陽菜。」

【なに?】

こんなに良い子は他にいない。同じ男の子だけど、そんな事は関係なく、こんな良い子を本当にいつか自分のお嫁に出来たら。と想うユキの上に白い結晶が落ちて来たのをすぐ傍に居た陽菜が目ざとく見付ける。

【あっ!ユキ、ねぇ雪】

白い結晶が飾られて、すぐ様消えてしまった彼の漆黒の艶やかな長い髪を見て、陽菜はひだまりのように微笑みながら呟いた。

【やっぱりユキ綺麗だから雪の白似合うね。】

しかし、ユキにはもっと、彼の方が似合う気がしていた。彼のキラキラ輝く黄金の方が、雪の白さには栄える。けれど、それでもこんな自分に雪の白が似合うと云ってくれるなら、いつの日かきっと、彼が大好きな雪を越えるユキになって、ずっと彼を傍に置いておきたいと、大人の愛の形をしらない純粋な胸に、光のような甘い願いを宿す。
と、そこへ、リンゴーン…リンゴーン…という神秘的なベルの音が入ってきて、音のする方へ眼をやって捜せば、かなり古びた塗装の十字架が見える。

【あれ、何かな?】

同じようにしてその十字架を見付けたらしい陽菜が行きたい感じでそわそわと聞いて来た為、天界で珠里夜から言付けられた夕食の時間までは時間がまだまだあった事も有り、彼を連れて何があるのか見に行ってみようと思いたつ。

「行ってみる?」

【うん。】

「じゃ、行こう。」
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