ミク。
ガシリ‥と、強く掴まれた肩が痛い。ただ強引に力任せに引き寄せられて抱き締められた身体が苦しい。だけど…‥、温かい。
マフラーやむくむくのコートなんかを着るよりもずっと温かくて、安心する。

「不安にさせて‥ごめん」

たったそれだけなのに、その一言がとても嬉しい。
あぁ、やっぱりシンデレラに出て来る王子様よりも王子様だなと思える。だからやっぱり、自分はこのひとの一番近くに居る為に、お嫁になるんだ。と強く思える。そうしてただ傍に居るだけじゃなく、必ず守って支えるんだ。と。

【ユキ…。好きだよ?】

「うん。知ってる。」

【ユキ…‥】

「もう少し、待ってて?陽菜が三番目の育母のとこに行って、卒業するまで、待ってて…」

【うん。でも、その後は?】

「一緒に暮らそう?それで、もう少し大きくなったら…」

【…‥‥なったら?】

「必ずお嫁にする。」

~…‥嬉しくて、嬉しくて嬉しくて涙しているんだか?照れてニヤけたいんだか?自分の事なのにもぅ良く分からなくなってしまった陽菜は、二人の間に挟まれた状態の縦琴を胸で感じながら大好きで大切な彼に今、一番伝えたい言葉を少女のようなあどけない。だが、少し微熱を宿した顔を向けて、囁いた。

【…‥ありがとう。私、この縦琴もユキもずっと大好きで大切にする…。ずっと、ずっと一生一緒でいようね。】
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