ミク。
とりあえずこの中では一番玄関に出やすい立ち位置に居たユキが先に行ってそこの引戸に手を掛けると予想通り同族では無い物陰が映っている。しかもソイツはかなりデカイ大物だ。

【あっシロ!】

引戸を開けると普段滅多にヒトが通らない訪れない場所にひっそりと建てられている彼女の家に来た珍しい訪問客は自分の留守中、陽菜に欠席届けを出してきて欲しいと使いを頼まれたらしい綺麗な白に黒の斑点模様の毛皮を持つ一匹のユキヒョウだった事が判明する。それを中から続いて出て来た陽菜が大喜びで出迎え、飛び付く。

【お帰りっ、お疲れ様】

天界でも下界でも見るのは非常に珍しいとされる動物の一匹であるユキヒョウ
ユキが興味から動物学の本で学んだ知識では、下界だと中央アジアのみに生息していて、人間があまり行かないような標高二千七百㎡から六千㎡の高原や山岳地帯で生活しているが冬は標高千ハ百㎡以下の森林に降りてくる生き物で、体長は百から百三十㎝、尾は八十から百㎝と長い。肩高はだいたい六十㎝。体重は二十五から七十五㎏のものが平均で、体毛は長く厚く、背面で四、五㎝。腹面で八、十㎝もあるらしいが、目前で陽菜にブラッシングされてピンクの大きなリボンを首に結んで貰っているシロは天界のユキヒョウなだけに更に一回りデカイが、頭や四肢では短いという特徴は同じだ。ここにもう一つ付け加えるなら、天界でも下界でもユキヒョウはヒョウの色違いでは無く、全く別の動物だという事だ。だからヒョウとは違い基本的にヒトを襲うような事はしない温厚な性格を持っている。そんなユキヒョウを陽菜は大層気に入っていて、以前親友だと云って紹介してくれた。
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