ミク。
『やっぱお前って、可愛いよな』

「………どぅして?」

大分満足気な表情でゆっくりと身体を離していく彼の台詞に質問してみると、なんだよ急に暗くなって。もしかして身籠ったせーで情緒不安定?と云いながら頭をポンポンと軽く撫でて来て、人工皮膚で覆われた下腹に甘いキスを落としてくれた。そして、

『俺さ、前‥売りやってたんだ』

「…‥‥うり?‥‥」

『あぁ。相手が女とか男とか関係なく金払ってくれた奴に自分を売るの‥仕事にしてた………つーか、させられてた………………』

初めて、話してくれた。今まで一度も一言も話してくれなかった彼自身の過去を初めて話してくれた。

『俺の親父クソより下巣なギャンブラーでさ、母さんをソープに売ってまで金造らせてギャンブルに使ってた…‥‥‥俺ガキだったし、母さんにいつも守られてた‥‥‥‥‥‥けど……‥無理のし過ぎで母さん死んだんだよ‥‥‥っ、最後まで俺にゴメンごめん云いながら死んだんだ…‥』

男泣きに泣いて泣いて悔しそうな怒りで震える彼からは当時受けた心の傷の悲惨さが伝わってくる。それでも彼は隠そうとはしないで更にその続きを苦しそうな様子で話してくれる。
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