ミク。
『…………その後だ………ギャンブルとキャバ嬢に貢いでるせぇで金ねぇから母さんにマトモな葬式すら出さないで俺を……俺を………俺に金作れって、女も男も関係ねぇ東京の廓に売り飛ばしたんだよアイツはッ!!』

今というこの瞬間まで、人間と呼ばれる生き物がこの世で一番恐ろしく、我が儘で、自分達はそれ等に従わなくてはならない存在だと思っていた事を間違っていた。と、こんなにも強く思ったのは本当に今というこの瞬間まで無かった事だ。ブラックは、人間として人間の中に生まれた一部の者だけが味わったとされる当時の生き地獄を味合わされ、通過して来たヒトだったのだ。その事はどれだけ彼を傷つけ、苦しめて来たというのだろう?

『女も男も相手にして来たけど、丁度16の時ここで一人暮らししてロボットの研究したり論文出してた上客だった学者に勉強もさせるし、死ぬまでの間ときどきで良いから相手をしてくれって誘われてさ、悪い話じゃないのと廓から出て自由になりたかったのがあって、買い取って貰った』

「…‥その人は?」

『死んだよ。去年。ジジィだったから』

「……………………」

『今になるまで悪い‥‥黙ってて、悪い…………』
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