ミク。
数分後目を開けると私は初恋岬近くに建つ白い切り妻屋根の家の前に立たづんでいた。

『やっと帰ったか?』

首を長くして待って居たらしい主様が普段とは違う異変に気付いて部屋の窓から身を乗り出してきた為、軽く会釈をしながら答えると、主様は急いで外に飛び出して来て

『早く分かった事を…私の大切なヒトは科学者か何か!?』

と急かしたてるので私が見て体験してきた事をその場で話して聞かせ、長いそれが終わって過去の主様にサヨナラをする前に貰った銀色のプラスチックの指輪を見せる頃には夕も大分傾いていた。

「今は色…‥違うけど…」

私のは真新しく輝いているのに、主様が嵌めている方は無くしてしまった記憶と共に生きてきた30年という年月を物語るようにすっかり変色してしまっている。まるで、ロボットと人間というハンデを表しているみたいに。

「でも私、主様さえ良いなら私……‥貴方の傍に居たい!」

過去の記憶を無くしても、大切なヒトが居た。という形で覚えていてくれたヒト…。例えそれが今という未来に生きる人間の大半がやっている【ロボットの利用】という形でも私というロボットを過去では本気で想ってくれたヒトだから…
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