人生、やり直しませんか?
 私が確認しようと一歩踏み出した時、


 「莉菜」


 乃愛の声がして、屋上は普通の屋上に戻っていた。


 さっきのは……いったいなに?


 あんなにも鮮明に見えた景色、それが夢だなんて到底思えない。


 「………教室、戻るわよ」


 乃愛の声がいつもよりずっと、震えているように聞こえて、わたしは屋上をあとにした。


 あれが私なら……私はここで死んだ?

 
 『心を許してはダメよ――……』


 乃愛の言葉がよみがえる。


 私がもし仮に学校で死んだとすれば……。


 私を殺したのは…学校関係の人?



 

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