そっと鍵をかけて。

歩きはじめて数分で、突然雨が降り出し、

しかも穿いていたお気に入りの靴のヒールが突如折れてしまった。


近くの店の軒下に滑り込んだはいいものの、近くにコンビニはないし

バーまで戻ろうにも戻るまでにずぶ濡れになってしまうだろう。


せっかくいい気分だったのに…とも思ったが、むしろ落ち込んでる時じゃなくてよかった!
と前向きに考えることにして

覚悟を決め、雨の中走り出そうとしたその時。


「おねーさん、よかったら入って行きませんか?」


なんとなく聞き覚えのある、柔らかい声に振り向いた。




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