グッバイ・メロディー
「ね、よくわかったんじゃない?」
みちるちゃんがにっこり笑った。
缶チューハイはとっくに空っぽになったみたいだ。
「どうしよう……」
「なにが?」
「こうちゃんとしゃべれない、どころか、もう顔も見れないかも」
「えー、なんでよ?」
「だって、ぜんぜん、気持ちの整理ができないし……」
わたしはこうちゃんを好きだけど、こうちゃんのほうは、まったく、1ミリもそんな気はないとして。
きょうだいみたいに、家族みたいに思っている相手に恋愛感情をもたれているのって、けっこううざいことなんじゃない?
うまくできる気がしない。
どうしたってこれまで通りにはいかないと思う。
そんなわたしに、勘のいいこうちゃんはなにかを察してしまうかも。
優しいこうちゃんは困ってしまうかも。
そう思うと、なんだか途方もない。
途方もないほどに、やるせない。
「いいんじゃない? それで」
みちるちゃんはあっけらかんと言った。
「しゃべれないならしゃべれない、顔が見れないなら見れない。そのあとの対応はぜーんぶ洸介くんにお任せでいいと思うけど」
「そ、そんなあ……」
「じゃあうまくできる? これまで通り、ずっと、死ぬまで、気持ちを押し殺したまま“いい幼なじみ”でいられる?」