グッバイ・メロディー
汗ばんだ肌に冷房の効いた部屋は少し寒くて、布団をかぶり直すと、すぐ隣にある素肌がそっとぬくもりを分けてくれた。
腕まくら、べつにいつもしているはずだけど、きょうはなんだかくすぐったい。
ちょっとだけ、恥ずかしい。
直接触れる体温がこんなに心地いいなんて知らなかった。
これから毎晩いっしょに寝るとき、服を一枚でも隔てて抱きしめあうことに、おかしなもどかしさを感じてしまいそうだ。
こんなことを言ったらきっとこうちゃんは嬉々としていじわるを言ってくるだろうから、ぜったい、なにがあっても、口が裂けても、言わないけど。
「ね、こうちゃん」
胸に頬をすり寄せる。
やわらかいにおいがする。
「ん?」
「あのね。わたしね、こうちゃんのことが大好きなんだよ」
甘い力で抱き寄せられた。
おでこにくちびるがくっつき、ちゅ、とかわいらしい音を立てる。
「ん、でもたぶん、俺のほうが好き」
しあわせ。
目を閉じるとすぐに穏やかな怠さが全身にのしかかって、そのまま吸いこまれるみたいに、夢のなかに落っこちた。