グッバイ・メロディー
アキくん、トシくん、ヒロくんにプラス脇坂さんと、5人で話しているその顔には、ちょっと疲れた色が浮かんでいた。
気づいたときにはすでに両足は駆けだしていた。
お疲れさまを言いたかった。
ほかにも、言いたいことがたくさんあった。
なりふりかまってなんかいられない。
誰の目も気にならない。
無防備な両腕にがばりと飛びこむと、支える準備をしていなかった彼は2、3歩うしろによろけつつ、最後にはしっかりとわたしを受け止めてくれた。
「……季沙?」
とても信じられないという言い方。
大好きな声がわたしの名前を呼ぶために大気を揺らした瞬間、またどうにも涙腺がゆるんだのには、自分でもさすがに驚いた。
あれだけ泣いたのにまだ涙が出るなんてなにかの病気?
濡れた頬になにかがそっと触れる。
大きな手のひらだった。
指先が、少しかたい。
だけどこの世に存在しているなによりも、いちばん、とてもやさしい。
その上に、自分の手を重ねて、ぎゅっと握った。