白い監獄

その時隣の女の人がクスリと笑います

「何だよ、富山〜」

「だってホントにカッコ悪いんだもん」

「あ、コイツ同じサークルの友達なんだ」

「こんにちは、雫ちゃん」

優しそうに笑う姿に、自分のみっともなさを強調させられたみたいで私は何だか恥ずかしくなり、挨拶の声が小さくなってしまいました…

「じゃあ、またね!」

私は笑って手を振りました…

何だか惨めな気持ちで

「あれが?噂の?」

「うん…」

「確かにイケメンだけど、あれって彼女…だよな?」

「…うん」

私は憧れていただけ…

素敵な人には、やっぱり素敵な人が相応しいんだ…

私は…改めて手の届かない人なんだと実感しました


< 37 / 60 >

この作品をシェア

pagetop