不機嫌な彼のカミナリ注意報
「あの時さ、助けてくれた緒川さんを見て……こんなにも心のやさしい子がいるんだ、って思ったんだよ」

 単純だよな、と屈託の無い笑みを見せる藤野くんに、一瞬ドキっと心臓が跳ねた。

「それから……俺は緒川さんのことが気になってる」

 今のはどういう意味だろう。
 私の勘違いじゃなければ、告白めいた言葉だったような気がする。

「だから、同じ部署の同じチームになれてうれしいんだ」

「そっか。……うん」

 咄嗟に気の抜けるような相槌を打ってしまったけれど、本当は心臓がバクバクして照れくさくて死にそうだ。


< 106 / 303 >

この作品をシェア

pagetop