不機嫌な彼のカミナリ注意報
「どの味がいいですか?」

「運転中の俺に余所見をしろと?」

「すみません。じゃあ味を言いますね。えっと……りんご、ピーチ、パイン、グレープ、アップル……」

「待て。りんごとアップルは同じじゃないのか?」

「あ、そうでした」

「俺はバカは嫌いだといつも言ってるんだがな」

 ちょっと言い間違えただけなのに、とプっと膨れて唇を尖らせる。
 どうせ風見さんは運転していて前を見ているから、私がどんな顔していてもわからない。

「で、どの味にします?」

「やっぱりいい。甘いものの気分じゃない」

 ……なんですか、それ。 年上のくせにワガママだ。


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