不機嫌な彼のカミナリ注意報

「風見くんね、悪気はないんだよ。無愛想だけど許してやってね」

　福田部長が苦笑いで私にフォローを入れる。
　少なくとも部長が感じの良い人でよかった。

「で、緒川さんには……彼のチームに入って仕事をしてもらうことになったから」

「そ、そうなんですか……」

　どうやら私は……風見さんの部下として働くことになっているらしい。
　そこまでは聞いていなかった。

「彼、あんなだけど仕事はデキるんだよ。緒川さんも彼と仕事をすると勉強になると思う」

　なぐさめるように福田部長が私に笑いかける。

　誰の下で働いてもいいけれど、よりによって真那から要注意人物指定されている人が直属の上司になるとは思わなかった。