不機嫌な彼のカミナリ注意報
 風見さんに手首を掴まれて、少し離れた木陰引っ張って行かれた。
 訳がわからずポカンとそこに立ち尽くしていると、風見さんがアウトドア用の椅子を目の前に持って来た。

「ちょっとここに座ってろ」

 そう言いつつ私を半ば強引に椅子に座らせて、自分はお肉コンロがあるほうへ戻って行ってしまう。

 風見さんはなにがしたかったのだろう?
 とりあえず休め、という意味だったのだろうか。

 椅子に座れと言われたからそうしたけれど、目は自然とそのまま風見さんの姿を追っている。

 バーベキューを楽しむ風見さんの姿も意外と絵になるな……
 などと思っていたら、お茶と紙皿を持った風見さんが、なんとこっちに戻ってきた。


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