不機嫌な彼のカミナリ注意報

　私のそんな様子に気づいて、体を冷やすために木陰に連れて来てくれて、お茶を差し出してくれるなんて……。
　やっぱり風見さんはすごく気遣いがあってやさしい人だと思う。

「気分は？　悪くないか？」

　風見さんは私と少し距離を取りつつ、自分もアウトドア用の椅子に並んで座った。

「はい。大丈夫です。お茶、ありがとうございます」

「がんばりすぎなんだよ、お前は」

「あはは。焼きそばを焼くのに夢中になっちゃいました」

「……本当ににバカだな」

　こうやって口が悪いのがたまに瑕(きず)だ。
　さりげない気遣いや行為はやさしいのに、この人は荒っぽい口調と態度でずいぶんと損をしているように思う。