不機嫌な彼のカミナリ注意報
 だけどそれに気づいて、私にお肉を持って来てくれるなんて……その気遣いにかなり感激してしまった。

「肉なんて、早く食わなきゃアイツら男どもに全部食われるぞ?」

 もう……どうしてくれるんですか。
 胸にズドンと銃弾を打ち込まれたみたいに感動が広がっている。

「お前はあれだな、気がつくと一番キツいポジションに追いやられるタイプだな」

「……どういう意味ですか?」

「この前もだが、今日だってそうだろ。他の女たちを見ろよ。どう考えたってお前が一番損してるじゃないか」

 みんなで休日に楽しくバーベキューに来て、損とか得とか一切考えなかった私は、風見さんの発言には驚きしかなかった。


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