不機嫌な彼のカミナリ注意報
「持ってきた荷物の整理をしていました」

「そんなことはいいから仕事をしろよ! これ、両面コピーで30部。大至急だ!!」

 パソコンと電話以外何も置かれていない私のデスクに、二枚のA4の紙が乱雑に放り込まれた。
 私は慌ててそれを持って、コピー室へと向かう。

 大丈夫。コピー機の機種はたしか総務と同じはずだから、使い慣れている。

 急いでコピーを終えて風見さんの姿を探すと、私のデスクから右斜め前の場所に座っていた。
 どうやらそこが風見さんの使うデスクらしい。

 あらためて見ると、彼のデスクの乱雑さにちょっと引いてしまった。
 その状態で仕事がはかどりますか?と言いたくなるくらい、ファイルや文房具類で埋め尽くされている。

 そんな中、器用にセッティングされたパソコンのキーボードとマウスを駆使して仕事に没頭する風見さんの姿があった。

< 18 / 303 >

この作品をシェア

pagetop