不機嫌な彼のカミナリ注意報
「ったく、本当に世話の焼けるヤツだな」

「すみません」

「これ以上、面倒は見切れな……手遅れか?」

 チラリと横目で私を見た風見さんが、見事に二度見をした。
 切れ長の瞳で、私の顔をじっと見つめてくる。

 もう構いません。その大人の色気で殺されても。
 そう思った途端に、眉間にクイっとシワが刻まれて大きな手が伸びてきた。

「顔が赤いと思ったら……熱があるんじゃないのか?」

 風見さんの手が私の額に触れる。

「熱いぞ?」

「それは……きっと違う意味もあって……」

「……は?」

「いえ。なんでもないです」

< 194 / 303 >

この作品をシェア

pagetop