不機嫌な彼のカミナリ注意報
 意味のわからないことを言う私に呆れ顔をして、風見さんは手を離した。

「とにかく、家に帰って着替えたら薬飲んで大人しく寝てろ」

「……はい」

「明日は日曜だから仕事が休みで良かったな」

 風見さんはそう言いつつ、ギアをドライブに入れて車を発進させた。

 風見さんと一緒にいられてうれしくて仕方ないのに、たしかに体調が悪くなってきている自覚もある。
 頭が重いし、ボーっとする。
 早く着替えて横になりたいと思ってしまう。

「あーー、クソっ!」

 だけどこんな時に限って、大渋滞に巻き込まれてしまった。
 これは仕方ない。誰も悪くないのだから。

 イライラしないでゆっくり行きましょう、と運転席にいる風見さんに言いたいのに、頭を持ち上げて声を出すのも億劫になってきた。


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