不機嫌な彼のカミナリ注意報
 資料室に駆け込んで照明をつけた途端、私はハァーっと盛大な溜め息を吐いた。

 もう頭の中がぐちゃぐちゃで、わけがわからない。
 心配して話を聞こうとしてくれた藤野くんを、振ってしまった。
 あんなにやさしくて良い人なのに。
 私のことが好きだなんて言う、奇特な人だったのに。

 もっと考えてから答えを出すべきだっただろうか……。
 たとえ出る結果が変わらないとしても、即答に近い形で断ってしまったのは必要以上に傷つけたのではないかと今になってから思う。

 ―― 大体仕事に関しても、私はなにをやってるのだ。

 上司から指示された仕事をきれいサッパリ忘れていたなんて、そんな失敗をしたのは会社に入って初めてだった。

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