不機嫌な彼のカミナリ注意報
***

「お前、資料を探すのにどれだけ時間がかかってるんだ? ここに来てから三十分は過ぎてるぞ?」

 風見さんの言うとおりだった。
 時計を見ると、どうやら私はここで三十分もボケっとしてしまっていたらしい。
 私はなにをやっているのかと、自分が嫌になる。

「す、すみません。この会社の資料ですよね?」

 手に持っていたファイルを風見さんに見せると、扉に預けていた背を起こしてゆっくりとこちらに向かってくる。

 先ほどデスクで怒鳴られたときは、怒りに満ちた顔をしていた風見さんだけれど、今はさほど怒っているようには思えない。

 だけど……きっと腹を立てているはずだ。
 こんなところに三十分も篭って出てこなかったのだから。

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