不機嫌な彼のカミナリ注意報
 総務のあるフロアまで行き、走って給湯室に向かった。
 案の定、ドタバタとしている中に真那の姿を見つける。

「真那!」

「寧々が来てくれたの? てっきりあの人が来ると思ってたのに」

 あの人……とは、きっと清瀬さんのことだろう。

「でも寧々が来てくれたら百人力! こんな時間に突然大人数で来られるとは思ってなくて、お湯すら沸いてないの!」

 時計を見ると、もう定時直前だった。
 来客の予定がなければ、給湯室は片付けられていて当然だ。
 しかももうすぐぞろぞろといらっしゃると聞いて、真那が普段以上にあせっている。

 私も必死で手伝い、何人かであわてて大会議室にお茶を運ぶことができた。
 ホッと胸を撫で下ろし、大急ぎでマーケティング部へ引き返す。

 今度こそ自分の仕事をしなくてはいつまで経っても進まない。


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