不機嫌な彼のカミナリ注意報
 私ひとりでやるなら、今から軽く一時間は残業だ。
 それをかわいそうに思って、手伝ってくれる風見さんは……

 本当は、――― すごくやさしい人なのだ。

「何をボーっと見てんだよ! お前も早く手を動かせ!!」

「はい! す、すみません!」

 
 結局ふたりでやっても、四十分かかってしまった。

 風見さんが猛スピードで終わらせてくれなかったら、ひとりでどれだけ残業を強いられていたかわからない。

「お疲れ様です。風見さん、ありがとうございました」

 風見さんのデスクまで行き、ペコリと頭を下げてお礼を言った。

 すると風見さんは椅子に座ったまま、両手を上に上げて大きく伸びをした。


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