美狐はベッドの上で愛をささやく

*・゚★。・*いつもとは違う日常。*




 . ゜
。 。
 。





「ん…………」



真っ白い光の中、あたたかな体温を感じながら、わたしは目を覚ました。


閉じた目をゆっくりと開けていくと、目の前には……。



「おはよう、紗良(サラ)ちゃん」


長いまつ毛に覆われた綺麗な赤茶色の瞳が、寝起きでまだ焦点がハッキリしないわたしの顔を映し出していた。



ここでお世話になってから、いったいどれくらいの時間が過ぎたんだろう。


ボーッとしている頭で少し考えていると、紅(クレナイ)さんはわたしの額に唇を落とした。




チュッ。


リップ音と一緒に覚醒するわたしの頭……。

「!! っくれないさっ!!」



驚いて両目を見開くと、目の前にいる紅さんは微笑んでいた。


額とか、唇とか、いつもこうやって唇を落とすのは、たぶん紅さんにとって挨拶みたいなものなんだろうって思う。




……きっと、特別な意味なんてない……。


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