美狐はベッドの上で愛をささやく

というか、恥ずかしいから髪は自分で洗うってそう言ったら、紅さんは、「わたしのことが嫌いかい?」って尋ねてくる。


嫌いになる事なんてないし、逆にこんなに親切にしてくれて申し訳ない気持ちになっている。


だから、そんなことはないと首を振れば、「それなら、問題ないよね」って、却下される。





――紅さんのお仕事のことは、それから少ししてからかな。

代わりにお仕事をしてくれる人がいるから大丈夫だって教えてくれた。



だけど、いつまでもこうして面倒を見てもらうわけにもいなかい。


もうお仕事に行ってもらっても大丈夫だよってわたしが言うと、紅さんは何かを考えたように黙って、それからある提案を持ち出した。



その提案によって、ひと悶着があるなんて、その時のわたしは、全然予想できなかったんだ……。


< 146 / 396 >

この作品をシェア

pagetop