美狐はベッドの上で愛をささやく

*・゚☆。・*ふたりの訪問者。*




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時間はお昼14時を過ぎた頃。

わたしは紅(クレナイ)さんとキッチンに立って、ホットケーキを焼いていた。


迷惑ばかりかけているわたしだけれど、わたしだって少しくらいは紅さんの役に立ちたい。

いつまでも紅さんにしてもらうだけなんて心苦しいもん。


そして今は料理の特訓中。

今では紅さんに買ってもらった料理本が主なわたしの愛読書だ。


紅さんのおかげで、じっくり本を読めるまで、わたしの体調も回復した。


今まで、霊体に悩まされていたから料理もしたことがないわたしだけれど、それでも必死になって料理本と格闘して作ったモノを、紅さんは美味しいと褒めてくれたのが、料理を頑張ろうと思ったきっかけだったりする……。


こうして誰かと料理できる日が来るなんて、過去のわたしからすると考えられなかったことだ。



穏やかに流れる時間を楽しんでいると、高いチャイムの音が部屋全体に響いた。




誰だろう?


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