美狐はベッドの上で愛をささやく
紅さんはわたしのことを、みんなよりもずば抜けて恥ずかしがり屋だと言うけれど、たぶん、わたしの反応はみんなと一緒だと思う。
紅さんが恥ずかしいことばかりしてくるだけだよ。
「さあ、行こうか」
恥ずかしくって、肩を縮めるわたしの背中に、紅さんの手がそっと触れる。
嬉しいと思う反面、汚いわたしに触れさせてしまっているという罪悪感が襲う。
でも、今日だけ。
今日だけだ。
だから……。
そう自分に言い聞かせ、紅さんと一緒に家を出た。