美狐はベッドの上で愛をささやく

*・゚★。・*さようなら。*




 . ゜
。 。
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「紗良(サラ)ちゃん、こっちだよ」


紅(クレナイ)さんの真っ赤な軽自動車に乗せられてから3時間と少し経った今――。


やって来たのは、ひっそりとした山奥から大分離れた、人が賑(ニギ)わう場所。


行き来を繰り返すたくさんの人に紛(マギ)れながら、紅さんの手に導かれ、いくつもの高い建物が連なっている道を歩く。


こんな人が多いところに来たのは生まれて初めてで、なんだか頭と目がグルグルする。


「紗良ちゃん、大丈夫? 人混みに酔ってしまったかな?」


整った眉を中心に寄せて、心配そうに顔を近づけられると、グルグルしていた頭が急に逆回転をはじめる。


紅さんの服装はとてもシンプルで、大人の男性っていう感じがする。

紅さんの滑らかな胸元が見える七分丈の黒色のカットソーに、すらりとした長い足を強調させた茶色のスリムデニム。


その姿に、ついつい見惚(ミト)れてしまう。


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