美狐はベッドの上で愛をささやく
だったら、もうあげる。
だから、苦しまなくていいんだよ……。
紅さんの言葉をさえぎって、わたしは言葉をはじき出した。
「紗良? 君は一体何を……?」
「お嬢ちゃん、邪魔だな。ソイツもろとも消えちまえ!! 魂だけは拾ってやる」
……もう、いいよ。
いいんだ。
わたしはどうせいつかは死ぬ。
だったら、せめて、好きな人の一部になれればそれでいい。
きっと、紅さんなら、わたしの魂をいい方向に使ってくれるってそう思うから……。
にっこり。
わたしは、紅さんに微笑んだ。
「紗良……!!」
わたしが紅さんに魂を奪われようと覚悟を決めたら――。
だけど……。
紅さんはわたしの覚悟を拒絶した。
「えっ?」
紅さんが伸ばした腕で、わたしの体は後ろに倒れた。
突き飛ばされたわたしの目の端で、紅さんが木にもたれて上を向き、目を閉じている姿が見えた。
まるで……死を覚悟したかのような……。