美狐はベッドの上で愛をささやく

*・゚☆。・*素顔*




 . ゜
。 。
 。





……穏やかな心地のまま、そっと目を開ける。


するとそこには、真っ白い空間が広がっていた。

横になっている体を起こせば、ジッと見つめてくる視線に気がついた。


だけど、その視線は恐怖を帯びたモノじゃない。


だって、少しもわたしを驚かそうとしないんだもん。


だったら、いったい、なに?




真っ白い空間だけが広がった世界なのにおかしいよね、何も取りこぼすことがないよう、ゆっくり周囲を見回す。


首を動かして見ると……。



「わわっ」

突然、わたしの脇から、ふわふわしたモノが入り込んできた。



え?

なに?



感触がする右脇へと視線を下ろせば――……。


そこには、綺麗な真紅の瞳となめらかな銀の毛並みをした――。



あの、狐がいた。





狐は耳を垂らして、なんだか犬みたい。


わたしにじゃれてくる。




かわいい……。


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